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歯科専門雑誌『アポロニア21』編集長による コラム
Vol.06 「○○コーディネーター」のメリットとリスク
最近、「○○コーディネーター」と呼ばれるコミュニケーション専門職が、歯科医療現場に広がってきました。もともとは美容整形など特殊業態の医療現場に配置されていた職種ですが、このような職種が歯科医療分野にも必要とされるようになってきた背景には、近年の主流となっている「予防型歯科医療」のように、人々の健康な生活習慣作りを積極的にサポートする必要のある領域が定着してきたことが考えられます。
実際、むし歯、歯周病の予防を診療の主軸としている歯科医院には、コーディネーターのようなコミュニケーション専門職が配置されているケースが多いものです。生活をサポートすることに長けた人材が歯科医院の従来のスタッフ編成では見出しにくかったことから、特別に別途のコミュニケーション専門スタッフを必要としたためのようです。しかし、同時に、ホワイトニングコーディネーター、インプラントコーディネーターといった、特定の自費診療を患者さんに勧めるために専門特化したコミュニケーションスタッフも増加しつつあります。これらの人々は、その分野について一定の学習をしているものですが、歯科医師の国家資格を持っていないことがほとんどですので、個別の事例についてアドバイスするような話の内容であれば歯科医師法違反となります。
また、「一件契約を取るといくら」というような勤務形態となっていることも多く、無理な勧め方がなされる場合もあります。ホワイトニングの場合には、それほどの危険もなく、患者さんにとっての負担感から考えれば、気軽な相談スタッフとしての意義は大きいでしょうが、それでも歯科医師との間にワンクッション置く形のコミュニケーションは、責任の所在が明確でなくなるなど、リスクを伴うものだと考えられます。さらに、インプラントとなると、もはや話は別ではないかと感じます。このことはインプラントに限りませんし、また、コーディネーターのような無資格者による説明であるかどうかにも、あまり関係ありません。
相手が歯科医師であったとしても、患者さんによる選択の幅が広い自費診療の領域で過度に誘引的な情報提供を行い、他の選択肢を示さないという場合、後々、トラブルに発展しやすいリスクが高いと判断されますから、そのような歯科医院には行かないことをお勧めします。特に、「この場で決めて欲しい」という雰囲気を感じたら要注意です。
「次回までに、考えておく」という形でその場を離れ、2度と近寄らないことです。残念なことですが、そのような危険な歯科医院が存在することも事実だからです。
月刊「アポロニア21」編集長の著作紹介
著作紹介:
現代につながる歯科医療の起源を歴史的に探ることによって、今後の歯科医療および、歯科医院経営の課題を明らかにします。
早稲田大学図書館が契約する電子ライブラリを通し、膨大な18世紀英国の歯科関連の書籍・広告を縦覧。「矯正、ホワイトニング、そして移植もすべて存在していた」「歯の病気で死ぬ時代があった」「補綴はデンティストリーではなかった」など、興味深い事実を証明する資料が多数掲載されています。
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