- トップページ >
- 歯科専門雑誌『アポロニア21』編集長によるコラム >
- Vol.40 いわゆる「名医本」の情報力とは?
歯科専門雑誌『アポロニア21』編集長による コラム
Vol.40 いわゆる「名医本」の情報力とは?
最近、出版社が独自の基準で医療機関や医師を評価し、ムック本で紹介するという企画がいくつかヒットを飛ばしています。6月には朝日新聞出版から『Q&Aでわかるいい歯医者2011』、7月には中央公論新社から『新 歯科の実力』(読売新聞医療情報部編)が出ました。
基準は、各種学会の専門医、認定医などの資格を持っているかどうか、特定の治療について症例数がどの程度かといったものが採用されています。これをそのまま掲載すると、単に学会の専門医名簿になってしまうので、スタッフ編成、使用器具、見積書発行の有無など各社独自の「味」を出しています。しかし、全体的に見ると、掲載された記事の中には、純粋な記事なのか広告なのかわからないところが非常に多いのに気づきます。実際、このような、いわゆる「名医本」の編集者に聞いてみたところ、各社にとって、これらはいずれもドル箱的存在であり、発行部数が多いだけでなく、広告収入もかなりの額に上るのだとか。
もちろん、これらに掲載された情報には、患者さんにとって有益な内容も多く含まれている(特に前半部)ものですが、そもそも歯科の学会における専門医、認定医の審査基準が、臨床的な技量をそのまま評価しにくい性質を持っていること、「名医本」の性格上、どうしても広告的な内容が主になってしまうことには注意が必要でしょう。
では、どのようにして、このような「名医本」と付き合えばよいのでしょうか。一つ言えることは、「具体的な歯科医院選びの資料にはしない」ということです。単に情報の一つとして捉えれば、複数の歯科医師が話していることを総合すれば、自分なりに、歯科医院選びのコツのようなものが身につきます。特に、使用器材や設備と、それを使っている理由を書いている項目には注目です。それは、その歯科医師がコストをかけてでも実現したいと考えた「理想像」が現れているからです。
それらの「理想像」の中で、自分に一番似合う歯科医師の姿を思い描き、その上で、ネットなどで、別個に歯科医院選びをすれば、「名医本」の持つ広告的な要素からは自由になれるはずです。
月刊「アポロニア21」編集長の著作紹介
著作紹介:
現代につながる歯科医療の起源を歴史的に探ることによって、今後の歯科医療および、歯科医院経営の課題を明らかにします。
早稲田大学図書館が契約する電子ライブラリを通し、膨大な18世紀英国の歯科関連の書籍・広告を縦覧。「矯正、ホワイトニング、そして移植もすべて存在していた」「歯の病気で死ぬ時代があった」「補綴はデンティストリーではなかった」など、興味深い事実を証明する資料が多数掲載されています。
>>立ち読みはこちらから
<< vol.39へ 『アポロニア21』編集長コラム vol.41へ >>














