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歯科専門雑誌『アポロニア21』編集長による コラム
Vol.32 アメリカで流行の口腔がん検査システム
先日、カナダの歯科医師で、アメリカの歯科雑誌の編集をしている方とお話する機会がありました。その方によると、 「最近、アメリカの歯科医師の間で口腔がんを早期発見できる簡便なシステムが大変売れている」とのこと。この背景には、 アメリカ社会における歯科医師の役割の変化があるようです。
これまで歯科医師と言えば、むし歯や歯周病を治し、キレイな被せものをセットしたり、歯列を矯正したりする プロフェッショナルだと考えられてきました。現在でも、その部分の重要性は変わりませんが、ただ、このところ、 それだけでは「歯科医師として不十分である」と考えられるようになっているようです。むしろ、「口腔の専門医」 としての役割の方に重点が置かれつつあるのです。
その一つが口腔がんのスクリーニング。アメリカでは、専門医制度が確立しているため、ほとんどの歯科医師は 口腔がんの治療に従事することはありません。しかし、定期健診などのタイミングで患者さんと接する際に、口腔 がんを含めて、さまざまな病気を早期発見し、適切な医療に患者さんをつなげていくことが重要だと考えられるように なりました。実際に、歯科医師が口腔がんを見落として、患者さんが死亡したケースで、訴訟となり、歯科医師側が 敗訴することも少なくないとされています。
アメリカは、噛みタバコの習慣が広がっていることもあり、先進諸国の中でも、とりわけ口腔がんの生活リスクが 高いことで知られています。歯科医師のチェックによって見つけられる口腔がんは、これまでも多かったのですが、 その場合の多くが、すでにかなり進行した状態になっていました。最近、開発された検査システムは、可視光線を特殊な フィルターを通して口腔粘膜に照射し、表面に表れない初期のがん病変も簡単に見つけることができるものです。
日本では、まだほとんど普及していませんが、機器の価格が安いこともあり、今後、口腔がんの検診ができる歯科医院が増えてくるかもしれません。
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