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歯科専門雑誌『アポロニア21』編集長による コラム
Vol.13 安全管理の意味合い―診療報酬改定
概ね2年に一度、公的医療保険の診療報酬の見直しが行われ、今年がその年に当たります。4月1日から施行される次期診療報酬改定では、患者さんにとって大きな意味を持つ点数項目が設けられました。それが、医療安全と感染予防の取り組みの評価です。所定の管理基準を満たした歯科医院では、一人の患者さん当たり30点(300円)の手当てがなされることになります。
医療にとって憲法に当たる「医療法」で、歯科医院も含めたあらゆる医療機関で医療安全、感染予防が義務付けられています。医療安全にはさまざまな意味がありますが、歯科医院にとっては治療中の血圧、血中酸素飽和度などを測定し、不慮の事故に備える「モニタリング」と呼ばれる取り組みが重要だとされています。歯科治療の中で、麻酔を用いる処置では、急な血圧と脈拍の低下を伴うショックや、過緊張状態などのリスクが考えられるためです。現状、全ての歯科医療現場で、この「モニタリング」が行われているわけではありませんが、インプラント手術など、外科手術が日常的に歯科医院で行われるようになっていく今後は、一定の頻度で必要になってくる対策であると考えられています。
また、歯科医療関係者の間でもあまり一般的でないのですが、「歯科医療で用いられる薬剤のほとんどは劇物、毒物である」という事実があります。麻酔薬は劇物であり、歯から撤去されるアマルガム充填物は水銀を含む毒物です。このため、保管、廃棄のルール化が求められています。これは、それほど難しいことではなく、それぞれの物品の流れを決め、所定の管理基準を守れば済むのですが、なかなかルール化されていない現状です。
現在、医療安全などの対策については、歯科医院ごとに大きな差があります。このため、国として、積極的に取り組みを進めるために保険点数項目を作ったのだとされていますが、同時に、患者さんからも一定の負担(通常は3割負担)をしていただくことになります。そのような負担に見合った対策がなされているのかどうか、患者さんの目線でチェックしていただくことを、多くの歯科医院のスタッフは願っているのです。
月刊「アポロニア21」編集長の著作紹介
著作紹介:
現代につながる歯科医療の起源を歴史的に探ることによって、今後の歯科医療および、歯科医院経営の課題を明らかにします。
早稲田大学図書館が契約する電子ライブラリを通し、膨大な18世紀英国の歯科関連の書籍・広告を縦覧。「矯正、ホワイトニング、そして移植もすべて存在していた」「歯の病気で死ぬ時代があった」「補綴はデンティストリーではなかった」など、興味深い事実を証明する資料が多数掲載されています。
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