歯科専門雑誌『アポロニア21』編集長による コラム

Vol.11 歯科医院の中にある器材について2

2007年4月に、医療機関の設置基準を定める医療法が改正され、小規模な歯科医院にも、医療安全、感染予防の取り組みが義務付けられました。それに関連した器材を見分けることで、その医院がどれだけの配慮をしているかが分かります。 まず、「これは必要ない」というものです。よく、内部が紫色や青色に光るキャビネットに診療機器を収納している歯科医院がありますが、国際的には「全く意味がない」とされています。紫外線が当たらないところでは殺菌効果がゼロだからです。それよりも、一旦滅菌処理した器具を、使用までの間、外部と遮断させるためにパックに入れて保管することの方が重要です。まだ、このような紫外線殺菌灯を使っている歯科医院が多いのですが、そこにどのような形で器具が保管されているか、パックに入れられているか、そうでないかを見分けましょう。

次に、うがい用のセット。これは「スピットン」と呼ばれます。日本の特徴として、なぜか自動で水が出る仕様が流行っていて、何かハイテクな感じを受けるのですが、注目すべきなのはそこではありません。まず、水受けの部分。ここはなかなか掃除が行き届かないところですが、ここをキレイにしている歯科医院では、他の部分にも配慮が行き届いていることが多いものです。いわば、歯科医院の「キレイ度」を量るものさしだと言えるでしょう。次に、コップ。紙コップが主流ですが、真っ白の紙コップの中に、一部、食品衛生上、使用が禁止されている蛍光塗料入りのものが流通しています。気なったら、遠慮なく聞いてみることです。実際には、使っている歯科医師も出所を知らないことが多いこともあり、患者さんのひと言から、現場の安全性が向上するきっかけになるでしょう。

いわゆるバックヤードを患者さんが見せてもらえることは稀でしたが、最近、自信のある歯科医院では、意図的に「見える場所」に器具準備室などを配置するようになってきました。ここには、使用された器具を高圧滅菌する機械(オートクレーブ)などが配置されています。使用済みの器具を洗浄、滅菌、保管、廃棄するシステムは、気にし始めると際限がなくなるほど大掛かりになります。それだと、歯科医院規模では現実性がありませんので、どこかで整理を付ける必要がありますが、その結果として、歯科医院ごとに取り組みのレベルに大きな差が出ているのが現状です。ただ、その分野で「ウリになる」というところを積極的に広告して良いことになっていますので、これから、歯科医院の間で「安全、滅菌競争」が激化してくるかもしれません。

アポロニア21編集長によるコラム

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