- トップページ >
- 歯科専門雑誌『アポロニア21』編集長によるコラム >
- Vol.01 歯と口の「病気」は治らない?
歯科専門雑誌『アポロニア21』編集長による コラム
Vol.01 歯と口の「病気」は治らない?
むし歯、歯周病といった代表的な歯と口の病気を、歯科医師は総称して 「主要歯科疾患」と呼んでいます。これらの病気は、ある一定のレベルを超える と治ることがない、というのが最近の歯科医療者の常識です。むし歯の場合、エ ナメル質が損傷し、さらにその内部にある象牙質が損傷した場合、失われたエナ メル質、象牙質を回復させることはできません。通常の傷であれば、自然にかさ ぶたができて、皮膚が創傷部位を覆うことで治癒と見なすことができますが、歯 にはそのようなことはありません。
歯周病も同じです。歯肉の腫れや痛みは放っておいても自然に治まりますが、 その間に炎症によって歯肉と歯との間の付着が損なわれ、歯を支えている骨(歯槽骨) も損なわれていきます。これは一般的な歯科治療では回復させることのできないものです。 このようなことから、歯と口の病気は治らないということが言えるのです。 では、何のために歯科医師は仕事をしているのでしょうか。 歯と口の病気を「治す」のが歯科医師の目的なのだとすれば、彼らは仕事をしていない ことになります。しかし、治らない状態のものは厳密には病気とは言えません。 障害、あるいは形態損傷と呼ぶものです。実は、歯科医師がこれまで主要な仕事 としてきた、削って、詰めて、被せてという仕事は、病気を治す行為ではなかっ たのです。最近になって、歯科医師の仕事の内容が変わりつつあります。その変 化について次回以降、お話させていただきます。
月刊「アポロニア21」編集長の著作紹介
著作紹介:
現代につながる歯科医療の起源を歴史的に探ることによって、今後の歯科医療および、歯科医院経営の課題を明らかにします。
早稲田大学図書館が契約する電子ライブラリを通し、膨大な18世紀英国の歯科関連の書籍・広告を縦覧。「矯正、ホワイトニング、そして移植もすべて存在していた」「歯の病気で死ぬ時代があった」「補綴はデンティストリーではなかった」など、興味深い事実を証明する資料が多数掲載されています。
>>立ち読みはこちらから
『アポロニア21』編集長コラム vol.2へ >>














